俺達の街に、また春が訪れた。

俺は桜田公園の大きな桜の木の下にいた。

今朝、夢を見た。
去年のあの日の夢。

そんな夢を見たら、もしかしたらまたって思っちゃうじゃん。

来ていたとして、見つけられるかなんて分からない。

もう、1時間。

2時間。

何やってんだ?
会ったとして、どうなる?
詩織じゃない。
前に進むって決めたじゃないか。
帰ろう。

そう思って歩き出したとき、
祐樹の姿があった。
話しかけようと思ったとき、向こうから彼女が走ってくるのが見えた。

おもわず身を隠してしまった。