ごめんな…
俺は今この瞬間まで、皆の事を考えていなかった。
本当に俺達人間は、酷い事をしてきた。これでは滅亡しても仕方ないのかも知れない…
少し前に見た、テレビ番組で生物学者が言っていた言葉。
イワシが絶滅すれば食物連鎖のバランスが崩れ、数多くの動植物に影響を与えるが、人類が滅亡しても全く影響が無いと。
今、元に戻してやるからな…
俺は、地球上から人間が投棄したゴミが無くなるならば、自分の生命を代償にしても構わないと、本気で思った。
そして、その思いを込め一気に力を放出した――
その力は、サハラ砂漠に凄いスピードでゴミの層を築き始め、見る間に埋め尽くしていった。
しかし、不自然だ。俺にこんなスピードで、物が運べる筈がない。
ま、まさか!?
俺が振り返ると、美空が目を閉じて意識を集中していた。
そうか、美空がここに集まってくるゴミを瞬間移動させていたのだ!!
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