この時の私は、人類が滅亡する事よりも…
『北極海を、元の姿に戻したい!!』
その事を強く願っていた気がする。



私が力を解放すると、1回目と同じ用に、白い波動が海面を駆け抜けた。

しかもそれは1回目の時よりも遥かに強く、そして1度ではなく、何度も繰り返し海面を滑っていった――



水平線の彼方まで、東西南北せべての方向が氷で埋まった。

その光景を見て、今度こそ力を使い果たした私は笑顔で崩れ落ちた。

美空は急いで駆け寄り、そんな私をしっかりと受け止めた。


「み、美空…
氷の…氷の端に行こう…」

美空は顔をくしゃくしゃにして泣きながら、私を抱き締めて移動した。


もう駄目かも知れない。これで復元出来ていなければ、もう駄目かも知れない…



私は薄れ行く意識の中で、Mの声を聞いた――…


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