頬に触れる氷の冷たさも、もう私には分からなかった。

私の側に駆け寄り必死に語りかける美空の声も、もう聞こえなかった。


何もかもの色が薄らいで、何も何も感じない。ただ、目の前に広がる海がキラキラと煌めく揺らめく様子だけが、私の瞳に写っていた。

打ち寄せる波…
潮騒が心と身体に染み込んで、私を癒していく――



ああ…
私達人間は、こんなにも偉大で美しい海を汚したばかりではなく、北極海の氷すらも溶かしてしまっているなんて。

ごめん…
ごめんね海、ごめんね地球――…



私の頬を一筋の涙が流れ、氷の上に落ちた。

その瞬間、私の身体が青白く輝き始め、再び力が溢れだしてきた!!


な、何これ…

でも、これならもう一度、最初の時に作ったサイズの氷を作る事が出来るかも知れない。


私は立ち上がると氷の端に立ち、再び精神を集中し始めた――


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