集中力が高まるにつれ、足元の氷がピシピシと甲高い音を立てながら厚みを増していく。

私の思いが強く、どんどん意識の中に流れ込む。


今だ――!!


私は自分の力と思いの全てを、見渡す限りの海原に一気に放出した!!

海面を白い波動が駆け抜けたと思った瞬間、その後を真っ白な氷が凄いスピードで追い掛ける様に広がっていった。


それは、自分でも信じられない光景だった。目の前に大氷原が一瞬のうちに広がったのだ。

多分、これ迄の私なら、これ程の力を発揮する事は出来なかったに違いない。


「やったね穂波!!
これならもう、北極海も元通りになったんじゃない?」

「美空…
分からないけど、まだ終わった訳ではないと思うの。

氷の端まで行ける?」

「大丈夫。それならイメージできるから」


かなりの体力と精神力を使ってしまった。これで80%位に戻っていれば良いけど…


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