「箱根は多少の犠牲は払ってでも、突破しなければならなかったのです。


なぜなら、Mのいる施設は箱根の向こう側…青木ヶ原の地下にあるのからです。

磁気の異常によりレーダーにも感知されないあの場所は、我が国の中枢を担う情報管理システムを構築する場所としては、これ以上無い程の立地条件だったのですよ」


「そうだったのか…
でも――」
「分かっています。

それでも、このまま放置していては、必ず人類は滅亡します。

それよりは、箱根を突破し、一気にMの所に攻め寄せた方が仮に犠牲者が出たとしても、人類が生き残る可能性があったのです!!


しかし…
私が受けた連絡によると、箱根を通過した人達は黒い衣を脱ぎ捨てたそうですから、その計画も水泡に帰しました」


分からない…

局長の話を聞いて、俺にはどう答えを出して良いのか分からなかった。


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