そんな日美子に武蔵は慌てた。

「あ、いや…今のはだな!」

「…よく分かんない」

「は?」

日美子は顔を上げ武蔵の顔をジッと見つめた。

「男女の恋愛って…よく分かんないの。だから萌えないの」

日美子にとって『萌え』は全てなのだ。

「じゃあ、もしかしてまだ誰とも付き合った事ない訳?」

「うん」

その時、武蔵の中で何かが弾けた。
そして武蔵は力強く日美子の肩を掴んだ。

「よし、決めた!!」

「何を?」

武蔵のギラギラとした瞳に気付かず、日美子は何が出て来るんだろうとワクワクした表情をしている。

「俺様がお前に男女の恋愛を教えてやる!」

「男女の恋愛?」

「おう!俺様がお前を真の女にしてやる!」

「うん!」

武蔵の言っている意味がイマイチ分からなかったのか日美子は取りあえず笑顔で返事をした。

「よし!今からお前は俺様の女だ!いいな!」

「うん!今から宮本君の女なんだね!」

「おう!」


こうして、世界一不似合いなカップルが誕生したのだった。