「そんな変やった」 「それ程でもないんやけど…余り人前じゃしいひん方がええかなって位。」 そう爽やかに言うと 「ほらこれやっ」 と1枚の古びた楽譜を渡して、アタシの壊れたクラリネットをアタシの手から奪いとった。 そして 「これかお父さんの形見の壊れたクラリネットってのは」 と言うとその場で吹き始めた。