「マリネの相手…どこにいるかも…誰かも解らないって言ってた…その人がケンシローさんだったって解って…驚いたよ。」
ーーあの日…
「ケンシローさん…もしかして…」
「やっぱり…知っとったんか…マリネのこと。西高って聞いて…もしかして…って思ったんや。」
「じゃ…今からマリネのとこ…行きましょねっケンシローさん。マリネ…逢いたがってます。」
「…………」
「行きましょうよ」
「そう言って…俺はケンシローさんの手を引いて出ようとしたよ。」
「で…ケンシローは」
「逢いには行けない…って言って…どうしても行こうとしなかったよ。」
「もしかして…ケンシローさん…。」
「そうや…さすがあの本を読んどるだけあって…解りが早いわ。」
「そう言って…ケンシローさんは全てを話してくれた。」
そう言ってタクはマリネに…見覚えのあるケンシローの携帯を渡した。
「俺から聞くより…この中に入ってる。ケンシローさんがマリネと真璃音ちゃんに残したメッセージが…。」