「初めは…マリネの赤ちゃんのお父さんがケンシローさんだとは知らなかったんだ。」




「俺が研究室でたまたまあの本を読んでた時…それをケンシローさんが覗いて来て…それで…」






ーー大学1年の秋だった…





その日はゼミが偶然休みになって…研究室の談話室のテーブルに一人でいた。





「やあ…。」



「あ…ども。…このゼミの方ですか」



「そうやけど…君も」



「はい…1年でまだゼミなんかとれないんですけど…自分から仙崎教授に頼み込んで、研究生として入れて貰いました。」



「じゃ…自分も…アインシュタインズ・ウオッチに興味あるんや。」



「はい高校の時からずっと仙崎教授が書かれた本を読んでました。」



「はーそうなんや。俺と同じなんやな。」