ケンシローはしっかりとマリネを抱きしめたまま…何度も何度も「ごめん」と絞り出すような声で言った。




「俺…マリネが好きや。マリネを愛してるんや。

やから…ごめん…俺が我慢できんかったばっかりにマリネに嫌な思いさせて。」




「ううん…アタシこそ…ごめん。アタシもケンシローに逢えてよかった。

だって…ケンシローはアタシの初恋の人なんだもん。

好きだよ…ケンシロー。

アタシも愛してるから。」




それでも…二人の想いをよそに…時間は無情にもその歩みを止めることはなかった。