そう言ってマリネが走り出した。
「マリネ〜っ待てや」
ケンシローはマリネを追いかけた。
マリネの目からは大粒の涙が風の中で舞い…
マリネはそのまま…想い出のあの教室へ入っていき…黒板の落書きを指差し
「ねえ…じゃあ…これって…ただの想い出になっちゃうのケンシローはただの想い出にしたいの
じゃ…何のために…
なんで…アタシになんか逢いに…来たのよ…
来なきゃいいじゃん。
来なきゃ…こんな辛い思いしなくても…よかったのに…。
なんで…なんで…
なんでよ」
ケンシローはマリネに走りよって、きつくマリネを抱きしめた。
それでも…マリネはケンシローの胸を叩きながら…何度も何度も…「なんで」…を繰り返した。