その日も…相変わらず部屋の電気は消したまま…指輪をじっと見つめていた。
すると…ケンシローの部屋の灯りがつき、窓が開く音がした。
ーーガラガラ…
アタシが息を殺していると…ケンシローの声が聞こえた。
「マリネ…返事したなかったら、せえへんでもええから、話だけは聞いてな。
まだ怒ってるんか
当たり前やな…
やけど…俺…あれからいっぺんも弁当はもろてないで。
あの日も…俺はいつものみたいに…マリネの弁当を楽しみに待ってたんや。
今かて…マリネの弁当…も…メールも…声も…
全部待ってるんや。
例え…マリネが俺を嫌いになったとしても…俺はマリネが好きやし…
マリネと結婚したい気持ちは変わってへんで。
それだけは…変わらへんから。
もし聞こえてたら…窓を3回叩いてくれへんか」