恐ろしく愚かなすれ違いが起きていた。 悪意に鈍感な国王と、孤独な少女の間で。 国王は大きな愛で包み込んだにもかかわらず、少女はそれを信じきれずに逃げ出した。 周到に張り巡らされた嘘と、それに偶然重なったちょっとした意地悪によって。 あまりに愚かしく、あまりに憐れな二人だった。 しかし、今、二人はそうなってしまった運命を乗り越えようとしている。