【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。





「ふふ、かんたんにだまされてバカな女ねって笑ってたのよ。この人は私の彼氏なのに」


「えっ」




 未来(みらい)先輩がするりと葛谷(くずや)さんの腕に手を回して、親し()に体を寄せる。

 急になにを言ってるの…!?

 目も口も、ぽかーんと大きく開けたわたしの手を、犬丸(いぬまる)先輩がつかんでひっぱった。


 っと、っと、と動いて収まった先は、犬丸先輩の大きな体のうしろで、頭のなかがハテナで()めつくされる。




「あなただって、私のうそをコロッと信じちゃって…ふふっ、楽しい見世物(みせもの)だったわよ?お礼に新しい彼女でも紹介してあげましょうか?」


「薄っぺらい言葉でもあれだけよろこぶなら、気が向いたときにまた遊んでやろうか?アイドルにハマるような女だ、うれしいだろう?」




 未來先輩も葛谷さんも、とつぜん、どうしちゃったんだろう…!?