「ふふ、かんたんにだまされてバカな女ねって笑ってたのよ。この人は私の彼氏なのに」
「えっ」
未来先輩がするりと葛谷さんの腕に手を回して、親し気に体を寄せる。
急になにを言ってるの…!?
目も口も、ぽかーんと大きく開けたわたしの手を、犬丸先輩がつかんでひっぱった。
っと、っと、と動いて収まった先は、犬丸先輩の大きな体のうしろで、頭のなかがハテナで埋めつくされる。
「あなただって、私のうそをコロッと信じちゃって…ふふっ、楽しい見世物だったわよ?お礼に新しい彼女でも紹介してあげましょうか?」
「薄っぺらい言葉でもあれだけよろこぶなら、気が向いたときにまた遊んでやろうか?アイドルにハマるような女だ、うれしいだろう?」
未來先輩も葛谷さんも、とつぜん、どうしちゃったんだろう…!?



