「望羽…?」
「ふ…お前の妹はいい子ちゃんだな。メイクのおかげで仕事は上手くいったが、危うくパァにされかけた」
「は…?まさか、望羽に手伝わせたの?」
お兄ちゃんはわたしの肩をギュッと抱いて、振り向いた。
お兄ちゃんも“なんでも屋”さんのこと、知ってるの…?
そういえば、弓崎さんと、栗本さんの名前…お兄ちゃんが、ここで…。
『栗本卓也と弓崎菫は、栗本から告白して付き合ったらしい』
『弓崎が推してるアイドルはお前と雰囲気が似てたから、お前の顔も好きなんじゃないか、雨蓮』
あ…そっか。
お兄ちゃんが、2人のことを先輩たちに教えたんだ。
どうして、お兄ちゃんが…?
「わざわざ猫を被らなくてもいいぞ。お前が一番本性を知られたくなかった最愛の妹は、お前の裏の顔をもう知ってる」



