「で、なにをやらかしたんだ?」
備品室についてすぐ、葛谷さんは目を細めてわたしと未來先輩を見た。
「ん~、ちょっと望羽ちゃんが予想外だったというか?とりあえず動画見ます?」
「動画…?」
「依頼人への提出用に一部始終を撮ってたんッスよ。来るのが間に合ったッスから、渡す必要はなくなったッスけど」
「依頼人への提出用って…」
依頼人は弓崎さんじゃなかったの?
来るのが間に合ったって…。
なんだか胸さわぎがする、と眉を下げながら、わたしは未來先輩のスマホから流れる動画を鑑賞している先輩たちをながめた。
『おい』
『あぁ、中武先輩。いいタイミングですね。今仕上げに移るところです』
『行ってくるッス!』



