「…依頼人の希望ならしかたないな」
「チッ…」
「…なんか天衣先輩の性格変わってない?」
「あはは…」
春宮先輩に小声で言われてただ笑うと、お兄ちゃん本人が「ごめんね。望羽になにかしようとする人は許せなくて」と答えた。
どうやら学校では、わたしのことで怒ると性格が変わる人、っていうことにするみたい。
お兄ちゃんの性格は変わってなんていないんだけど。
「先生相手なら、一番信用がある茅都先輩が適任ですよね。茅都先輩、この男連れていってくださいよ」
「…望羽とお昼ご飯を食べるのは僕だからね」
「あはは、分かってるッスよ。天衣くんが戻ってくるまでちゃんと待ってるッス」
「きみたちまで一緒に食べる許可なんてしてないんだけど」



