奥の段ボール箱に腰かけている雨蓮さんは、顔を上げて春宮先輩を見た。
「これが始まった時期と、送られてくる手口は?」
「えっと、先週の月曜日からです。朝、学校について下駄箱を開けたら、写真が何枚か、うわばきの上に置かれていて」
「いつも何分ぐらいに来るッスか?帰る時間も教えて欲しいッス!」
「朝は、予鈴の10分前くらいに着くようにしてます。帰りも、部活とかには入ってないので、ホームルームが終わったらすぐ帰るほうです」
「それじゃあ、朝でも放課後でも仕込む時間は充分にありますね。どうします、クズ先輩?」
ひら、と写真を振って、未來先輩は雨蓮さんを見る。
雨蓮さんは持っていた写真を犬丸先輩に渡して、「本人を直接たたいてもいいが…」と言ったあと、わたしを見た。
なんだろう…?
目が合うだけでドキッとしちゃう。



