【中】酸いも甘いも、イケメンぞろい。





「なんでも屋、依頼だ」




 B棟2階、備品室にて。

 ブレザーのそでをまくった腕を伸ばして、1000円札をぴらり、と突き出した不良生徒は、悪だくみをするように笑った。




「OK、話を聞こう」




 奥の段ボール箱に腰かけて、長い足を組んだ男は、クールな美貌(びぼう)にほほえみを浮かべる。

 壁に沿って置かれたスチールラックに背中を預けた美女は、「ふふ」と笑い声をもらした。




「今回はどんな内容かしら?」


「俺たち、なんでもやるッス!任せて欲しいッスよ!」




 あぐらをかいて床に座りこんでいた男は、手に持った袋からポテトチップスを取り出して、ピンと腕を上げる。

 その後、パリパリッという、そしゃく音がひびくなか、男たちの商談は始まった。




「この前――」