知らずにね
蜘蛛の糸に捕まったんじゃないの。
知ってて捕まりに行ったのよ。
もう逃げられないって分かってたわ。
だけど、あなたに近づきたくて。
あなたにわたしを知ってもらいたくて。
わたしは蜘蛛の意図にかかったの。
人はそれを可哀想と言うわ。
わたしはそれを聞き流すの。
別にわたしは哀れじゃないもの。
わたしはバカじゃないもの。
わたしは愛しき君の傍に・・・・。
たとえそれが罠でもね。
ねぇ、
今日もあなたの糸から空を仰ぐ。
もう、羽ばたけない。
それでいいの。
いつかあなたの血になることを、
わたしは待ってるわ。
おおせのままに・・・・・