─ドキンッ─

何でドキドキしてんだ?
きっと熱いからだ!
あいつは関係ねえっ
そう何度も自分に
言い聞かせた。

誰かが俺を見ている─。
ふと横を見ると
関谷がいた。
関谷 悟。
野球部で格好いいって
評判の奴。
なんせ新学期早々
1年からキャーキャー
言われてるからな。
男の俺でも納得だ。

すると関谷はニヤニヤ
しながら俺の肩に
手を回して
言った・・・・
「お前さあ~
あいつの事好きなん?」

!!!!

俺は一瞬心臓が
止まったように思えた。
何言ってんのコイツ?
黙っている俺に
しつこく「なぁ!」
と聞き返す関谷・・・・
俺は
「んな訳ねーだろっ
あんなブス!」と
けっこうデカイ声で
言ってしまった。
一気にみんなの視線が
俺にくる。

やっべえ・・・・

桜井の方を見ると
自分のことだろうと
勘づきムスッとした顔で
俺の前に来た―。
「知ってるし!
そんなことっ」と
言って他の女子3人と
教室を出て行った・・・・。