──突然の連絡がスマートフォンを揺らしたのは数ヶ月前のことだった。



差出人は、高校時代に同じバイト先だったひとつ上の先輩。シフトが被ることがあまりなくて当時からそこまで親しくはなかった。業務連絡以外したことがなかったひと。



2、3年ぶりくらいにトーク履歴の上から2番目に登場したメッセージの中身は、これまでその先輩とは交わしたことのなかった内容だった。




『栞ちゃん、久しぶり!突然で驚かせているよね

実は、栞ちゃんと地元一緒の人が同じ大学らしくて!────』




どこからか、わたしの進学先を知っていた先輩が、わたしと同じ地元のひとが同じ大学だから良ければ紹介させてよ、というものだった。





『矢野葉月、っていうんだけど』