高校生になって知ったこと。
制服のスカートは、
短すぎてもかわいくないということ。
購買のパンが、
特にメロンパンがすごく美味しいということ。
授業中に寝てしまっても、
案外怒られないんだということ。
そして、何よりも。
好きって、恋って、
楽しいだけじゃないんだってこと。
誰かを好きになるということは、
尊いことであるのと同時に、
かなしくてつらいことであるのだと。
相手から自分と同じ気持ちが返ってこない時、ひどく寂しくなるのだと。
知らなかったことを知るたびに
ちくちくと棘が刺さるけれど、
好きは積もっていった。
だからどうしようもなく苦しくて、
だけどその傷さえも愛おしかった。
16歳。大人とは程遠くて、まだまだ子供で。
それでも私は、私たちは。
たしかに精一杯に、ひとを好きになった。
:
*.