2019年2月。コロナウイルスはこの頃からどこかで息を潜めていたのだろうか。
私は精神科の主治医である藤田の勧めで、精神科デイケアへの通院を決断した。還暦を迎えようとしていた私は、社会復帰を断念することにした。ただし、8年前から続けている新聞配達だけは続けていた。この頃、彼女とは認めていないが、私には20年間支えてくれている女性の存在があった。それは三角関係に似ている。彼女には金銭面で支えている男性がいるため、状況は複雑だ。初日の日。デイケアの扉を開けると、たまに来ていた頃に通院していた女性二人が近づいてきた。その一人、荻野真子(30歳)は「どうしたのですか」と驚いた表情を浮かべた。大胆な動作が印象的な真子の姿は、私の脳裏に焼き付いた。精神科デイケアは、心の病を抱えた人々の社会復帰を支援する施設である。私の場合、統合失調症は既にマンネリ化しており、四六時中襲われているという感覚を持っている。この場所を私の居場所にするために通っている。真子はカラオケが大好きなようだ。昼休みやプログラムのない時間はカラオケをしている。彼女は15歳の時から精神科に通っているらしい。病気について彼女に聞いたのはこのくらいの話である。また、バトミントンが得意なようで、スポーツの時間は気合の入れ方が違っていた。私は彼女に対してこの頃から恋愛感情を抱いていたのかは定かではないが、潜在意識が意識していたような出来事が起きた。