「お兄さん、名前なんて言うの?」

「桐本 夏葉…」

「夏葉ね、よろしく。岩崎 穂風です。穂風でいいよ」



岩崎穂風。



やっぱり、当然と言えば当然。



岩崎龍臣の娘だ。



「穂風ね。昨日引っ越してきたからこれから世話んなります」

「そうなんだ! だったらあっちの方も結構いいポイント(※サーフィンに適した場所。サーフポイント)だよ」



そう言って奥の方を指す。



「ありがと。今度行ってみる」

「うん。ねえ夏葉、今日はカメラ持ってきてないの?」

「今日は持ってきてねえな。とにかく乗りたかったし」

「そっか~。昨日、すごい良く撮れてたから。プロ?」

「一応」



穂風はとにかく話しやすいし明るい。



見た目はクールそうだけど、実際は全然そんなじゃない。



それに、オーラはあるが、良い意味で、大物を感じさせない接しやすさ。



ますます興味が沸いた…。