そんな号泣しながら、足元の草に顔を伏せている亜季の背中を見ながら、テツオは言った。


「ごめん…。」

亜季はその声に顔を上げて、必死に首を振りながら言った。


「おねがい、謝らないで。テツオのせいじゃない。あなたのせいなんかじゃないもの。」

亜季は唇を振るわせながら、両の掌で太い金網を叩いた。


そんな取り乱した亜季の姿を見て、テツオの中で何かが動いた。