私はその日一睡も出来なかった。

次の日、朝日が昇ると私はすぐに家を出た。

電車に乗り都内の高層ビルに向かった。
屋上に登ると、フェンスに手をかけた。

そう死ぬつもりだった。

だって、風俗なんでしょ?
私にはできない…
見ず知らずの男たちに身体を売るなんて…

これで、自由になれる…よね…?

生まれ変わったら、今度こそ、幸せに…

フェンスに乗ろうとしたその瞬間!

「ちょっと待ってください!」

そんな声が聞こえた。

私が振り向くとそこには紺色の三揃えのスーツをバリッと着た男性が居た。

「邪魔しないでください…」

「事情は知りませんが、死ぬ事は無いでしょう…?」