「あの、大丈夫ですか…?
話が通じる相手かどうか…」

恐らくサンケイ社と名乗ってはいるものの、相手はヤクザだ。

「話は通じなくても、金は通じるでしょう。
金さえ貰えば、奴らはカタギには手を出しませんよ。」

そして、調月さんは部下とサンケイ社に入っていった。

10分もせぬ内に、調月さんは帰ってきた。

「コレ、完済証明書です。
後で読んでおいてください。

ね?
奴らは金には弱いんですよ。」

調月さんは完済証明書を私に手渡し、にっこりとそう言った。

これで…
自由…?

いいえ、調月さんの籠の鳥になるのだ。

仕方がない。
死ぬよりはマシだ。

そう、自分に言い聞かせた。