キーブルク侯爵邸に嫁いだ私の部屋は、貴族夫婦のお決まりの配置で、旦那様の部屋から続き部屋が用意されていた。
どうやら、旦那様から並外れた信頼を勝ち取っている執事クウェンティンは、夫の部屋から続く扉の鍵を使い、私の部屋へと入って来たようだ。
夫の訃報を聞いた妻が部屋に篭もりきりで返事もしないというと、もしかしたら……という、心配をしても仕方ないかもしれない。
けれど、あまりにもショックが大き過ぎる私にとっては、それもこれもどうでも良いことだった。
「ぐずっ……クウェンティン!! これがっ……泣かないでっ……どうするっていうのっ! 夫が私と一度も会わないままで、亡くなってしまったのよっ!!」
夫アーロンが幼い頃に拾い教育しとても可愛がっているという執事クウェンティンは、少し変わっていて無表情で感情を見せることがない。
だから、アーロンが死んだと聞いても、いつも通りの様子だった。
……何と言って例えれば良いのか、まるで人形のように人間らしい気持ちを出すことが全くない。
今だって嘆き悲しむ私を見ても、表情を変えることはなかった。
どうやら、旦那様から並外れた信頼を勝ち取っている執事クウェンティンは、夫の部屋から続く扉の鍵を使い、私の部屋へと入って来たようだ。
夫の訃報を聞いた妻が部屋に篭もりきりで返事もしないというと、もしかしたら……という、心配をしても仕方ないかもしれない。
けれど、あまりにもショックが大き過ぎる私にとっては、それもこれもどうでも良いことだった。
「ぐずっ……クウェンティン!! これがっ……泣かないでっ……どうするっていうのっ! 夫が私と一度も会わないままで、亡くなってしまったのよっ!!」
夫アーロンが幼い頃に拾い教育しとても可愛がっているという執事クウェンティンは、少し変わっていて無表情で感情を見せることがない。
だから、アーロンが死んだと聞いても、いつも通りの様子だった。
……何と言って例えれば良いのか、まるで人形のように人間らしい気持ちを出すことが全くない。
今だって嘆き悲しむ私を見ても、表情を変えることはなかった。