今だって、そうだ。使用人の仕事を手伝い薄汚れてしまったドレスを着ている私を見て、この家の正統な血を受け継ぐ、れっきとした貴族令嬢だとは誰も思うまい。
貴族間としての大人の事情で、自分よりも身分の高い公爵家の出である義母には父は逆らえず、私が虐められていても、見ても見ない振り知らない振りだった。
……それなのに、今までのことを私には悪かったと思ってる……ですって?
血の繋がった娘の私が、どんなに虐められようが何をされようが、これまで我関せずで傍観して黙っていたと言うのに。
本来ならば、一年前に社交界デビューするはずだった私は、これまでに社交らしい社交をしたことがない。義母の目を考えれば、出来なかったのだ。
だから、何故ハンナではなく姉の私の元へと、そんなにも条件の良い縁談が回って来たのかと信じられない思いだった。
……私のことをとても嫌っている義母の連れ子、義妹ハンナではなくて、キーブルグ侯爵が望む縁談の相手は本当に私なの?
父は私に片手をあげて、何もかもわかっていると言わんばかりに頷いた。
貴族間としての大人の事情で、自分よりも身分の高い公爵家の出である義母には父は逆らえず、私が虐められていても、見ても見ない振り知らない振りだった。
……それなのに、今までのことを私には悪かったと思ってる……ですって?
血の繋がった娘の私が、どんなに虐められようが何をされようが、これまで我関せずで傍観して黙っていたと言うのに。
本来ならば、一年前に社交界デビューするはずだった私は、これまでに社交らしい社交をしたことがない。義母の目を考えれば、出来なかったのだ。
だから、何故ハンナではなく姉の私の元へと、そんなにも条件の良い縁談が回って来たのかと信じられない思いだった。
……私のことをとても嫌っている義母の連れ子、義妹ハンナではなくて、キーブルグ侯爵が望む縁談の相手は本当に私なの?
父は私に片手をあげて、何もかもわかっていると言わんばかりに頷いた。