とは言え、城の警備を担当する騎士団を差し置いて、軍の指揮官である彼が独自に動けない。だから、用意された一室に私たちはただ待機していた。
真夜中だというのに、城中には無数の明かりが灯り、騎士団らしき人たちが行き交い物々しい雰囲気に包まれていた。
アーロンはそんな様子を窓から見ながら、物憂げな表情だ。自分が労われる祝勝会だったと言うのに、こんなことになってしまって気の毒だとは思う。
そんな時に、場違いなのかもしれないけれど、彼の鋭角なラインを描く横顔に見惚れてしまった。
長い時間そんな彼をじっと見つめていたんだけど、机の上に用意されていたお酒とグラスを見つけて、妻ならば気を利かせて勧めなければいけないのではない? と、ようやく気がついた。
「アーロン。お酒でも飲まれますか?」
「いや、止めておこう」
すげなく彼に断られて、私は少し落ち込んでしまった。よく考えれば、アーロンが寛いでお酒を飲もうと言う状況ではないかもしれない。
私って本当に、駄目なのだわ……。
「ブランシュ。落ち込むことはない……気を利かせてくれたと言うのに、悪かった」
「アーロン……」
真夜中だというのに、城中には無数の明かりが灯り、騎士団らしき人たちが行き交い物々しい雰囲気に包まれていた。
アーロンはそんな様子を窓から見ながら、物憂げな表情だ。自分が労われる祝勝会だったと言うのに、こんなことになってしまって気の毒だとは思う。
そんな時に、場違いなのかもしれないけれど、彼の鋭角なラインを描く横顔に見惚れてしまった。
長い時間そんな彼をじっと見つめていたんだけど、机の上に用意されていたお酒とグラスを見つけて、妻ならば気を利かせて勧めなければいけないのではない? と、ようやく気がついた。
「アーロン。お酒でも飲まれますか?」
「いや、止めておこう」
すげなく彼に断られて、私は少し落ち込んでしまった。よく考えれば、アーロンが寛いでお酒を飲もうと言う状況ではないかもしれない。
私って本当に、駄目なのだわ……。
「ブランシュ。落ち込むことはない……気を利かせてくれたと言うのに、悪かった」
「アーロン……」