会ったこともない亡き夫と、書類上だけの結婚して訃報を聞いたあの日から、ようやく一年が経ち、私が自由に……いいえ。
私が幸せになれる日が、やって来ました……!
私は将軍として、名誉の戦死を遂げたアーロン・キーブルク侯爵の未亡人、ブランシュ・キーブルク。もうすぐ、素敵な男性と恋に落ち、幸せな再婚を果たす。
母が亡くなって何年も前から、ずっとずっと願い続けた幸せになれる日が、すぐそこまで迫って来ているわ。
……そう信じる。ぎゅっと握りしめた手の平に走った鈍い痛みは、もう気にしないことにした。
未来への期待に我知れず笑みが浮かんでしまう顔で、一人で夜会の会場入りした私は、好奇の視線が自分へと集まるのを感じた。
驚きを含んだ騷めきが会場中ぶわりと広がり、それでも私は背筋を伸ばして前を向き堂々と歩いた。
今までのように、亡き夫の喪に服し顔を隠す必要はないはずだから。
「……ねえ。あちらの貴婦人。見て。あまり見ないお方よ、誰なのかしら」
私が幸せになれる日が、やって来ました……!
私は将軍として、名誉の戦死を遂げたアーロン・キーブルク侯爵の未亡人、ブランシュ・キーブルク。もうすぐ、素敵な男性と恋に落ち、幸せな再婚を果たす。
母が亡くなって何年も前から、ずっとずっと願い続けた幸せになれる日が、すぐそこまで迫って来ているわ。
……そう信じる。ぎゅっと握りしめた手の平に走った鈍い痛みは、もう気にしないことにした。
未来への期待に我知れず笑みが浮かんでしまう顔で、一人で夜会の会場入りした私は、好奇の視線が自分へと集まるのを感じた。
驚きを含んだ騷めきが会場中ぶわりと広がり、それでも私は背筋を伸ばして前を向き堂々と歩いた。
今までのように、亡き夫の喪に服し顔を隠す必要はないはずだから。
「……ねえ。あちらの貴婦人。見て。あまり見ないお方よ、誰なのかしら」