女学院が長期休暇に入り、待ちに待ったクレメント家に向けて旅立つ出発当日の早朝。ブラン家には、ルイーズを迎えに来たリオンとレア以外に、思いもよらない人物二名が玄関の前で待っていた。
呆然とするルイーズは、我に返ると目の前まで進んできた二人に話し掛けた。
「お見送りに来てくれたの?」
「違うわ」
「私たちも一緒に行くことにしたのよ」
エリーとエマの言葉で、一緒に行くことを今知ったルイーズは、戸惑った様子だが嬉しそうだ。
「私は嬉しいけど……」
少し離れたところで、馬の手綱を引くレアに視線を向けると、微笑みながら頷いている。その横には、いつもの無表情とは違う優しい笑みを浮かべたリオンがルイーズを見ていた。
「あんな表情もできるのね……」
「エマちゃん、失礼よ」
ルイーズの側でその様子を伺っていたエマが、リオンの表情を見ながら呟くと、エリーがすぐさま注意をした。
ルイーズは、そんなやり取りにも気づかずに、リオンをじっと見つめていた。
そんな彼女たちの側に、レアが近づいてきた。
「リアムはどうした?」
「リアムはまだ寝ているかと……リアムが何か?」
何故レアがリアムを気にするのか、と不思議に思いながらも答えるルイーズ。
「この間、リアムが『僕も辺境に行きたいです』と、私たちに言ってきたんだ」
呆然とするルイーズは、我に返ると目の前まで進んできた二人に話し掛けた。
「お見送りに来てくれたの?」
「違うわ」
「私たちも一緒に行くことにしたのよ」
エリーとエマの言葉で、一緒に行くことを今知ったルイーズは、戸惑った様子だが嬉しそうだ。
「私は嬉しいけど……」
少し離れたところで、馬の手綱を引くレアに視線を向けると、微笑みながら頷いている。その横には、いつもの無表情とは違う優しい笑みを浮かべたリオンがルイーズを見ていた。
「あんな表情もできるのね……」
「エマちゃん、失礼よ」
ルイーズの側でその様子を伺っていたエマが、リオンの表情を見ながら呟くと、エリーがすぐさま注意をした。
ルイーズは、そんなやり取りにも気づかずに、リオンをじっと見つめていた。
そんな彼女たちの側に、レアが近づいてきた。
「リアムはどうした?」
「リアムはまだ寝ているかと……リアムが何か?」
何故レアがリアムを気にするのか、と不思議に思いながらも答えるルイーズ。
「この間、リアムが『僕も辺境に行きたいです』と、私たちに言ってきたんだ」