自分のいない間に、そんな話がされているとは知らないルイーズが、イリスと一緒に修道院室へ戻って来た。

「休憩ありがとうございました。医務室でエリーの様子を見ることもできて安心しました」

「そう、それは良かったわ」

ルイーズの穏やかな表情を見て安堵したエリザベスが、話しだそうとしたその時、レアが待ちかねたようにルイーズに話し掛けた。
「ルーちゃん、乗馬の話を聞いた。私なら、予定が合えばいつでも教えてあげられるがどうだろうか」

レアの突然の提案に驚きはあるが、嬉しそうな表情のルイーズ。

「本当に良いのですか? もちろん、私がレアさんの予定に合わせますので、よろしくお願いします」

ルイーズの返事を聞いて、満足そうに微笑みながら頷くレア。

「でも、私の馬だと大きくて落ち着きがないんだ。ルーちゃんに合った馬は……屋敷に戻れば、静かな馬に乗ることもできるんだが……どうだろうか、長期休暇は私と一緒に辺境に行かないか? あそこなら、思う存分練習もできるぞ」

「私が行ってもよろしいのですか? ……でも、先ずは両親に相談してみます。返事はそれからでも良いでしょうか?」

「ああ、もちろんだ」

「ありがとうございます。今夜にでも話してみます」