「話の途中ですまない。先ほど婚約解消と聞こえたが、ブラン家の御息女の話だろうか?」
「ええ、もう一年前になるかしら。結局は解消ではなく、白紙になったそうですわ」
「そうか……その後、誰とも婚約はしていないのだろうか」
「……ええ、しばらく婚約はしないと、お父様に話したそうですわ。まあ、その後すぐに淑女科から侍女科に所属が変わりましたから、婚約の話に動きはないと思いますわ」
「そうか」
リオンの問いかけに対して、疑問に思いながらも律儀に返答するエリザベス。そのエリザベスの答えに何故かほっとしたような表情のリオンに、アレックスが声を掛けた。
「リオン、やけに熱心に聞いているけど、以前からの知り合いなの? 対面したときのルイーズ嬢はそんな風には見えなかったけど」
「…………10年近く前のことだ。覚えていなくても仕方がない」
リオンの呟きとも取れる声に、その場にいる全員が驚いた様子だ。エリザベスとエマは顔を見合わせたかと思ったら、すぐさまエリザベスがリオンに問いかけた。
「ルーちゃんが、辺境伯家に行ったことがあるということ? 誰と?」
「そうだ。その時はブラン家の前当主と一緒だった」
リオンの返答を聞いたエリザベスとエマは見つめ合い頷き合っているようだ。
「何故、兄上だけが会っているんだ。私は学院に入るまで、ルーちゃんには会ったことがない」
「その時は……母上の実家に遊びに行っていたレアは屋敷にいなかった。」
「そうか……残念だ」
そんなクレメント兄妹のやり取りを見ていたエマが、レアに声を掛けた。
「ええ、もう一年前になるかしら。結局は解消ではなく、白紙になったそうですわ」
「そうか……その後、誰とも婚約はしていないのだろうか」
「……ええ、しばらく婚約はしないと、お父様に話したそうですわ。まあ、その後すぐに淑女科から侍女科に所属が変わりましたから、婚約の話に動きはないと思いますわ」
「そうか」
リオンの問いかけに対して、疑問に思いながらも律儀に返答するエリザベス。そのエリザベスの答えに何故かほっとしたような表情のリオンに、アレックスが声を掛けた。
「リオン、やけに熱心に聞いているけど、以前からの知り合いなの? 対面したときのルイーズ嬢はそんな風には見えなかったけど」
「…………10年近く前のことだ。覚えていなくても仕方がない」
リオンの呟きとも取れる声に、その場にいる全員が驚いた様子だ。エリザベスとエマは顔を見合わせたかと思ったら、すぐさまエリザベスがリオンに問いかけた。
「ルーちゃんが、辺境伯家に行ったことがあるということ? 誰と?」
「そうだ。その時はブラン家の前当主と一緒だった」
リオンの返答を聞いたエリザベスとエマは見つめ合い頷き合っているようだ。
「何故、兄上だけが会っているんだ。私は学院に入るまで、ルーちゃんには会ったことがない」
「その時は……母上の実家に遊びに行っていたレアは屋敷にいなかった。」
「そうか……残念だ」
そんなクレメント兄妹のやり取りを見ていたエマが、レアに声を掛けた。