ルイーズとイリスが医務室内に入ると、エマがエリーの眠るベッドの横の椅子に腰掛けて、添い寝をしていた。誰かが部屋に入ってきたことに気づいたエマは、音のする方を見やると、入ってきたのが二人だと気づき、ほっと胸を撫でおろした。

「イリス様にルーちゃん、まだエリーはぐっすり寝ています。おそらく、緊張状態が続いていたのかと思います。今日は私たちがこちらを出るまで、エリーを医務室で休ませていただいてもよろしいでしょうか」

「そうね、無理はさせない方が良いわ。こちらでエリーちゃんの付き添いは付けるから、エマちゃんはあちらに戻ってあげて。私とルーちゃんもしばらくしたら戻るから」

 イリスに修道院長室に戻るように言われて医務室を後にするエマ。

「エリー落ちついてる……良かった」

 エリーの顔を覗き込むと、穏やかな寝息を立てて眠る様子にルイーズは安心したようだ。そこにイリスが声をかけた。

「ルイーズちゃん、今日は初めて聞く話ばかりで疲れたでしょう。私は付添い人を連れてくるから、それまで、ここで少し休むと良いわ」

「ありがとうございます。ご厚意に甘えて、そうさせていただきます」

 イリスの言葉が有難かったのだろう。ルイーズの表情が少し和らいだようだ。エリーの隣で一息ついたら、また集中して話を聞こうと思っているのだろう。