リオンが三人以外の者たちに謝り、話し出さないアレックスに早く話すようにと急かした。アレックスはリオンに頷くと、全員の顔を見てから話し出した。

「皆、待たせてすまなかった。……ここからは重要な話になるからよく聞いてほしい。

50年前の問題が起きたとき、当時の第三王女と深く関わった者たちは、皆一様に不自然な言動を取っていたらしい。初めの頃は、若者特有の精神状態だと大人たちは思っていたそうだ。

それからすぐに、婚約を破棄するものが増えて、大人が気付いた時には手遅れの状態だった。ここまでは、皆も話には聞いたことがあると思う。しかし、厄介なのはその後だ。結局、原因も分からずに、問題は解決しないまま、時だけが過ぎてしまった。そこで私たちは、第三王女と関わった者がおかしくなった原因をずっと探ってきた。そして、行き着いたのが先代の王妃が保有していた原石だった。

その原石は、隣国から嫁いでくるときに父王から貰ったものだそうだ。私たちはそれらの回収を急いだ。しかし見つかったのは大きな宝石が一つだった。隣国の者に確認したところ、その原石は傷もなく結構な大きさがあったようでね。大きな宝石が一つと、小さい宝石が数個は作れるという話だった。しかし、今こちらの手元にあるのは大きな宝石が一つだけ。加工した際の残りの宝石はいくつあるのか、そしてその中の一つは第三王女に渡されたと思うが……、その宝石も未だ見つかっていない。今はその残りの宝石を探しているところなんだ。君たちに話せる内容はここまでだけど、何か気になったことはあるかい?」

アレックスの話を聞いた直後に、考え込んでいる顔のエリザベスが口を開いた。