「先ずは、これまで多くの有益な情報を提供してくれてありがとう。その情報を基に、いくつか分かったことあるんだ。私自身、完全に理解したとは言いづらいが、現状、こちらで確認している内容を皆に知っておいてほしい」

「こちらとしては、最初から教えておいてほしかったですわね」

 第一王子アレックスの説明に、エリザベスから不満の声が上がった。

「それについては、申し訳なかった。しかし、こちらで危険だと判断したものに関しては、これからも伝えるつもりはない」

「そんなに危険だと思われる情報を、こちらが把握していないことの方がよっぽど危険だと思いますわ。もし問題が生じても、何も知らなければ、こちらでは対応ができませんもの」

「エリザベス、そう責めないでくれないか。これからも今まで通り、問題が解決するまでは協力を願いたい。これからも、どうかよろしく頼む」

「危険なことは知らせないだなんて……、その考えは分からなくもありませんが、そんな悠長なことを言っている場合ではないのでは?」

「お前は、何でアレックスに対していつもそう喧嘩腰なんだ。いい加減にしろ、不敬だぞ。昔はもっと仲が良かっただろうに」

アレックスとエリザベスのやり取りを見かねたキースが口を挟んだ。


「お前たち、話しが前に進まない」

「すまない」「すまん」「失礼いたしました」

 まだまだ終わりそうにもない言い合いを、リオンが終わらせた。リオンの鋭い眼光で見つめられたら、アレックスとキース、そしてエリザベスの三人は、黙るしかない。

「話が逸れてしまって申し訳ない……。アレックス、早く話してやってくれ」