「さっきは、ルーちゃんの目の色が変化するような『何か』があった、と話したけど、50年前の問題が起こったとき、第三王女に籠絡された人たちは、もっとひどい状態だったらしいの。思考が乱された人や、寝たきりの状態になった人、症状は人それぞれだったらしいわ。
 そのことを聞いていたから、その時に使われた『何か』によって、ルーちゃんの目の色が変化したのなら、最悪な状態にならなくてよかったと皆で話していたの」

「もしかして……、ルーちゃんは癒しの力が強かったから、助かったということか……」

 話しの途中で、レアのつぶやきが聞こえてきた。

「癒しというより、浄化の力ではないかしら。ブラン家には悪いものを取り除く力があるって、さっき言っていたし……」

「ああ、そうだな。癒しより、浄化の方が強力そうだな。エマが前に話していた遠方の国にもそのような力があったな」

「そうね」

「二人とも、勝手に話を進めないでちょうだい」

「すまない……」「ごめんなさい」

 レアとエマが話始めたことで、ルイーズが混乱することを避けたいエリザベスが、二人の会話を止めたようだ。

「ルーちゃん、今二人が話していたことだけど、ブラン家にはそういう力があるから、ルーちゃんは危害を加えられたときに、自己防衛できたのではないか、または時間を掛けて悪いものを取り除くことができたのではないか、という予想の話を修道院長様とお話していたの。それとさっき話した『何か』については、私たちも危険だからと詳しい話を聞かせてもらえていないの。でも、有耶無耶にされていると答え合わせができない。だから、今日は前に話した協力関係にある外部の方たちに説明してもらうことになっているの。ここまで一気に話してしまったから、疲れていないかしら? 外部の人たちがくるまで少し休憩にしましょう。修道院長様、よろしいですか?」

「そうね、そうしましょう」

 休憩時間をもらった二人は、気分転換をするために、外の空気を吸いに行ったようだ。