「ブラン家の話をする前に、何故このような話をしていたか説明するわ。
きっかけは、エマから幼い頃のエリーとルーちゃんの話を聞いたことなの。その頃の思い出話をしていた時に、ルーちゃんの目の色が少し変化したような気がするという話になったわ。

 違和感を覚えた私たちは、すぐさま調べたけど、答えは見つからなかった。そこで、この話を修道院長様に尋ねたの。その時、私たちも知らなかったルーちゃんのお祖父様や第三王女の情報を聞いたわ。50年前に問題を起こした当時の第三王女は、ルーちゃんのお祖父様に懸想していたそうなの。その話を聞いたときに、少しずつ、話しの繋がりが見えてきたわ。

 ここからは、私たちの予想だけど……、第三王女は、お祖父様に恋をしたけど、相手にされなかった。当時から、お祖父様とルーちゃんのお祖母様はとても仲睦まじく、第三王女からの一方的な恋心にも、お祖父様は振り向くことはなかった。そこで、傷ついた第三王女は50年前の問題を起こして、幽閉された。

 その後、ご結婚されて子供が生まれて孫ができたお祖父様は、仕事で忙しいブラン子爵の代わりに、後継者として育てていたルーちゃんを連れてよく領地を回っていた。その二人を見かけた第三王女、もしくはその関係者か信奉者がお祖父様にそっくりなルーちゃんに危害を加えるようなことがあった。その時に、目の色が変化するような『何か』があった……ここまでが、ルーちゃんの目の色が変化した理由の予想よ。まだ話は続くけど、ここまでで、何か質問はあるかしら?」

 話しを聞いていたルイーズは、愕然とした。疑問に思うところもあるが、それ以上に50年前の問題に、間接的だが自分が関わっているなど思いもしなかった。

 ルイーズは、動揺してまだ落ち着かない気持ちを抑えて話し始めた。