「楽しみで、直ぐに眠れなかったの」
その返答に、エマは幼い子供を見るような慈愛の目でルイーズを見ているが、エリーは心配なのか、道中が長いから眠くなったら休むようにと言っているようだ。
走り出した馬車は、いつもの通学路を通り、女学院の方角に向かっている。三人で景色を見たり、おしゃべりをしていたら、あっという間に女学院の建物が見えてきた。今日は女学院に続く並木道を通らずに、T字路の道を逆方向に進むようだ。
「そろそろ上り坂になるわね。舗装されているからそこまでひどい揺れはないけど、二人とも気分が悪くなったら言ってね。そうね、外の景色を見ていた方が良いかもしれないわね」
馬車での移動だが、初めての登山になるルイーズとエリーを気にかけ、声を掛けるエマ。二人とも、エマに返事した後は窓から外を眺めているようだ。
馬車の窓から外の景色を見ると、遠目からでは気づかなかった野生の花たちが可愛らしく咲き乱れている。あたり一面に咲く爽やかな色の夏の花に感動するルイーズとエリーは、言葉にならないようだ。
「二人とも、そろそろ着くわよ。外に出る準備をしておいてね」
「はい」
しばらくの間、可愛い花を見て和んでいたルイーズだが、エマの言葉を聞いた途端、胸の高まりを感じたようだ。
「着いたわ、二人とも降りるわよ」
御者にドアを開けてもらい、颯爽と馬車から降りるエマ。その後を二人も続いて降り立った。
外に出た二人は、目の前の修道院を見上げて、再び言葉を失ったようだ。大きい建物だとは思っていたが、ここまでとは思っていなかったのだろう。
「三人とも、来たわね。待っていたわよ」
先に到着していたらしいエリザベスが声を掛けてきた。
その返答に、エマは幼い子供を見るような慈愛の目でルイーズを見ているが、エリーは心配なのか、道中が長いから眠くなったら休むようにと言っているようだ。
走り出した馬車は、いつもの通学路を通り、女学院の方角に向かっている。三人で景色を見たり、おしゃべりをしていたら、あっという間に女学院の建物が見えてきた。今日は女学院に続く並木道を通らずに、T字路の道を逆方向に進むようだ。
「そろそろ上り坂になるわね。舗装されているからそこまでひどい揺れはないけど、二人とも気分が悪くなったら言ってね。そうね、外の景色を見ていた方が良いかもしれないわね」
馬車での移動だが、初めての登山になるルイーズとエリーを気にかけ、声を掛けるエマ。二人とも、エマに返事した後は窓から外を眺めているようだ。
馬車の窓から外の景色を見ると、遠目からでは気づかなかった野生の花たちが可愛らしく咲き乱れている。あたり一面に咲く爽やかな色の夏の花に感動するルイーズとエリーは、言葉にならないようだ。
「二人とも、そろそろ着くわよ。外に出る準備をしておいてね」
「はい」
しばらくの間、可愛い花を見て和んでいたルイーズだが、エマの言葉を聞いた途端、胸の高まりを感じたようだ。
「着いたわ、二人とも降りるわよ」
御者にドアを開けてもらい、颯爽と馬車から降りるエマ。その後を二人も続いて降り立った。
外に出た二人は、目の前の修道院を見上げて、再び言葉を失ったようだ。大きい建物だとは思っていたが、ここまでとは思っていなかったのだろう。
「三人とも、来たわね。待っていたわよ」
先に到着していたらしいエリザベスが声を掛けてきた。