「二人とも、五十年前の問題については知っているわよね。そして、あの問題が未だに解決できていないことも。あの問題の所為で、人生に影を落とした人たちも多くいるわ。どんなに時が経とうと、どうしても黒い影が付いて回るの。五十年以上も前の話なのに、高位貴族家の間では、未だに尾を引いているわよね。私たち三人は、問題解決のために動いている外部の方々と一緒に、問題の真相を探っているの。生徒会活動という名目があれば、動ける範囲も広まるし、内容も三人だけに留める事ができるでしょう。先輩方の卒業後、生徒会が三人だけで活動している理由はその為よ。本当は、後輩たちを巻き込みたくないというのが本音だけどね」
「エマ、続きは私が話すわ」
エリザベスは、エマに声を掛けてから話し始めた。
「どうしても、私たちの世代であの問題を終わらせたいの。二人とも、淑女科に在籍していたから分かるでしょうけど、本来であれば、婚約を結んでいる子たちはもっと多いはずなのよ。あの問題が、家同士の繋がりを結びづらくさせている原因なのは言うまでもないわよね。私たちは、そういう歪みを正していきたいという気持ちで活動してきたわ。でも、私たちもこの女学院を卒業する年になってしまった。もちろん、卒業後も問題が解決するまでこの活動は続けていくつもりではいるのだけど、学院生の方が動きやすい場面もあるわ。これから私たちの後を引き継ぐ生徒会入会予定の後輩たちには伝えるつもりはないの。
そこで、あなたたちに協力してほしいの。もちろん、危険なことをさせるつもりはないわ。どうかしら、お願いできるかしら」
「エマ、続きは私が話すわ」
エリザベスは、エマに声を掛けてから話し始めた。
「どうしても、私たちの世代であの問題を終わらせたいの。二人とも、淑女科に在籍していたから分かるでしょうけど、本来であれば、婚約を結んでいる子たちはもっと多いはずなのよ。あの問題が、家同士の繋がりを結びづらくさせている原因なのは言うまでもないわよね。私たちは、そういう歪みを正していきたいという気持ちで活動してきたわ。でも、私たちもこの女学院を卒業する年になってしまった。もちろん、卒業後も問題が解決するまでこの活動は続けていくつもりではいるのだけど、学院生の方が動きやすい場面もあるわ。これから私たちの後を引き継ぐ生徒会入会予定の後輩たちには伝えるつもりはないの。
そこで、あなたたちに協力してほしいの。もちろん、危険なことをさせるつもりはないわ。どうかしら、お願いできるかしら」