ルイーズが、侍女科に移り半年以上が経過した。夏らしい雰囲気が漂う中、女学院の生徒たちは長期休暇を楽しみに、やる気を取り戻す時期だ。教室を見渡せば、笑顔と活気に満ち溢れている。
午前の授業が終わり、一息ついたルイーズは、教室の窓の方へと歩み寄った。窓から見える青空と、緑豊かに茂った木々たちを見て気分転換しているのようだ。
その時、エリーがルイーズに声を掛けてきた。
「ルイーズ、今、良いかしら」
「エリーどうしたの? 何かあったの?」
表情の硬いエリーを見て、何か困ったことが起きたのかと心配するルイーズ。
「実は今、上級生から手紙を渡されたの。宛名が私とルイーズで、差出人が生徒会三人の連名になっているのよ」
「何かしら……。取り敢えず、封を開けてみましょう」
「そうね、でも姉からは何も聞いていないし……。本当に何かしら」
姉のエマから、手紙のことなど聞いていないらしいエリーは不安そうだ。その横では、開けてみないと分からないとばかりに、ルイーズが急いで封を開ける。封筒の中身を取り出すと、中には花の絵が描かれた上品なカードが入っていた。二人が恐る恐るカードを開くと、〈招待状〉という文字が目に入った。顔を見合わせ不思議そうな顔をするルイーズとエリー。
「どういう事かしら。ねえ、エリー……、日時が今日の放課後だわ」
「本当ね。日時が今日って……。招待というよりも呼び出しよね」
「放課後、遅れないように行きましょう」
「そうね、諦めが肝心ね」
手紙を貰ったばかりの二人、しかも呼び出しの日付が今日とは、どうやら逃げ道は用意されていない。ここは、受け入れて従うのが賢明なようだ。
午前の授業が終わり、一息ついたルイーズは、教室の窓の方へと歩み寄った。窓から見える青空と、緑豊かに茂った木々たちを見て気分転換しているのようだ。
その時、エリーがルイーズに声を掛けてきた。
「ルイーズ、今、良いかしら」
「エリーどうしたの? 何かあったの?」
表情の硬いエリーを見て、何か困ったことが起きたのかと心配するルイーズ。
「実は今、上級生から手紙を渡されたの。宛名が私とルイーズで、差出人が生徒会三人の連名になっているのよ」
「何かしら……。取り敢えず、封を開けてみましょう」
「そうね、でも姉からは何も聞いていないし……。本当に何かしら」
姉のエマから、手紙のことなど聞いていないらしいエリーは不安そうだ。その横では、開けてみないと分からないとばかりに、ルイーズが急いで封を開ける。封筒の中身を取り出すと、中には花の絵が描かれた上品なカードが入っていた。二人が恐る恐るカードを開くと、〈招待状〉という文字が目に入った。顔を見合わせ不思議そうな顔をするルイーズとエリー。
「どういう事かしら。ねえ、エリー……、日時が今日の放課後だわ」
「本当ね。日時が今日って……。招待というよりも呼び出しよね」
「放課後、遅れないように行きましょう」
「そうね、諦めが肝心ね」
手紙を貰ったばかりの二人、しかも呼び出しの日付が今日とは、どうやら逃げ道は用意されていない。ここは、受け入れて従うのが賢明なようだ。