「やっぱり、有耶無耶にされると駄目だわ……。エマ、本当に言えない内容なら、言わなくても良いのだけど、何故そこまであの二人をそっとしておけだなんて言うのかしら。何も知らない此方としては、とても気になるわ。私は、従姉妹だけれど、家族同然に思っているのよ。あの忌々しい事件、ああ……問題ね。あの問題自体が、未だに謎だらけなのよ。あれを片付けるまでは、他の事に疑問を残すことはいやなの。ましてや、それが大切な友人の事なら尚更ね。だからもし、話せる内容なら教えてほしいわ」
「ごめんなさい。確かに、あんな言い方をしたら気になるわよね。でも、大したことではないのよ」
「…………」
エマが話を逸らそうとするも、今度は中々引き下がらないエリザベス。観念したのか、エマは戸惑いながらも話し始めた。
「……、分かったわ、話すわ。あれは……、私が9歳になる前のことね。その日は、ブラン子爵夫人とルーちゃんが、うちに遊びに来ていたの。母親達は、いつも通り二人でお茶会をして、エリーとルーちゃんは、子供部屋で遊んでいたわ。その日は、私も屋敷にいたから子供部屋に向かったの。部屋では二人がおままごとしていたけど、私は興味がなかったから、離れたところからその様子をただ見ていたわ。その時、『……侍女になるね』『……なるわ!』なんて薄っすらと会話が聞こえたから、『二人は侍女にはなれないわよ』て声を掛けたの。あの頃の私は、友達なんて興味もなかったけど、ちょっとだけ羨ましかったのかな……。大泣きされたから覚えてるのだけど、その時は余計なことを言うのではなかったと反省したわ。今回、二人が侍女科に移ったでしょう?あの時のやり取りは本気だったのかと思って、エリーに聞いてみたの……」
次に続く言葉を言おうか躊躇う様子のエマに、エリザベスが穏やかな声で話しかけた。
「大丈夫よ、ゆっくりで良いから。話してみて」
エマは、頷きながらも、どの様に伝えれば良いのか迷っている様子だ。
「ごめんなさい。確かに、あんな言い方をしたら気になるわよね。でも、大したことではないのよ」
「…………」
エマが話を逸らそうとするも、今度は中々引き下がらないエリザベス。観念したのか、エマは戸惑いながらも話し始めた。
「……、分かったわ、話すわ。あれは……、私が9歳になる前のことね。その日は、ブラン子爵夫人とルーちゃんが、うちに遊びに来ていたの。母親達は、いつも通り二人でお茶会をして、エリーとルーちゃんは、子供部屋で遊んでいたわ。その日は、私も屋敷にいたから子供部屋に向かったの。部屋では二人がおままごとしていたけど、私は興味がなかったから、離れたところからその様子をただ見ていたわ。その時、『……侍女になるね』『……なるわ!』なんて薄っすらと会話が聞こえたから、『二人は侍女にはなれないわよ』て声を掛けたの。あの頃の私は、友達なんて興味もなかったけど、ちょっとだけ羨ましかったのかな……。大泣きされたから覚えてるのだけど、その時は余計なことを言うのではなかったと反省したわ。今回、二人が侍女科に移ったでしょう?あの時のやり取りは本気だったのかと思って、エリーに聞いてみたの……」
次に続く言葉を言おうか躊躇う様子のエマに、エリザベスが穏やかな声で話しかけた。
「大丈夫よ、ゆっくりで良いから。話してみて」
エマは、頷きながらも、どの様に伝えれば良いのか迷っている様子だ。