「お嬢様はこれから生活環境が大きく変わられるだろう。解決策にはならないが、モーリスの言う通り、慣れるまではこのまま様子を見るというのが今の時点では最善ではないだろうか」とトーマス。

「今はそれで乗り切るのが一番だよな」とトーマスに頷き返すモーリス。

 解決にはなっていないが……モーリスも、皆の意見を聞いて安心したようだ。

「トミーも何かあるのだろう」とトーマスがトミーに問いかける。

「ああ、最近ミシェルお嬢様がケーキに嵌まっていてな。ケーキを作る回数が増えているんだ。調理場の皆で考えてはいるんだが、ケーキの代わりになるようなものが思いつかなくてな。おやつをもっと健康的なものに変えたいんだが、何かいい案はあるだろうか」

「うちの孫は、人参のケーキを好んで食べていたぞ」とトムが言えば、「野菜のケーキか……」となにやら思案するトミー。

「リンゴのタルトもいいな」とモーリスが言えば、「砂糖の量を減らして、野菜と果物を増やすのはどうだろうか」とトーマス。

「そうだな、野菜と果物の甘みを活かしたおやつを考えてみるか」とトミーも光が見えたようだ。

今日も相談事は無事に解決したようだ。

最後は全員が、体調には気をつけようと言葉を交わし頷き合う。

こうして今日も平和に「年配紳士たちの集い」は終了した。