母親のエイミーから、修道院の話を聞いて数日が経った今日。リアムとミシェルが楽しみにしていたお茶会の日だ。
　まず、三人はエイミーと朝食を共にした。二人とも寝起きだったが、エイミーとの食事をとても喜んでいたので、二人にはエイミーとゆったり過ごせるように、三人で食後茶を飲むように勧めてきた。

　その間、ルイーズとローラは調理場でお茶会に出すためのお菓子の材料を確認する。料理長が事前に用意してくれていたので、準備はすぐに終わった。

「二人ともこんな早い時間に起きられるのなら、これからは朝食とお散歩に誘おうかしら」
「それは難しいと思います」
「そうかしら、ミシェルは可愛いものが大好きだし……そうだわ、今日は花の形のクッキーでも焼いてみようかしら」
「お嬢様、甘いです。ミシェル様は色気より食い気、花よりケーキです」

それはそうだ、ミシェルはまだ三歳なのだ。好きなものが一番だ。その時、調理場にリアムとミシェルが入ってきた。

「僕たちもお手伝いします」
「わたしも」
「ありがとう、二人ともよろしくね。今日は、リアムの好きなブランマンジェとミシェルが食べたいフルーツがのったケーキね。先ずはブランマンジェを作りましょう。」
「姉上、僕がやります」
「わかったわ、このお鍋に入っているアーモンドミルクを使ってね。ローラ、リアムの補助をお願いできる？」
「かしこまりました」

「それなら、ミシェルは私と一緒にフルーツタルトを作りましょう」
「うん！」

料理長があらかじめ、タルト生地とアーモンドミルクを作っておいてくれたようだ。そのため早い時間に作業は終わり、後はそれらが冷え固まるのを待つだけとなった。

早い時間に起床して、お菓子作りをしていたために、少しばかり眠そうな二人にはお茶会の時間まで休んでもらうことにしたルイーズ。

「寝てしまったらお茶会前には起こすから、少し休んできなさい」
「絶対に起こしてください」「おこしてね」
「絶対に起こすから安心して」

　リアムとミシェルを部屋に送ると、ルイーズとローラは庭に出てテーブルセッティングを確認した。

「お嬢様、少しの間お休みください」
「ありがとう。ローラも少し休んで」

　それから小一時間ほど時間が過ぎたので、ルイーズはローラと一緒にリアムとミシェルの様子を見に行った。