「私、婚約を解消するわ。この婚約は、政略ではないから許してもらえると思うの。両親には、今夜にでも話してみるわ」
「そうね……話すなら早いほうがいいわ。ルイーズのご両親なら、解消することを許してくれると思うけど、お相手との話し合いが難航しそうなときは教えてね。私にできることはないかもしれないけど、協力することはできると思うの。その時は、以前から話していた私の従姉を紹介するわ」
「エリー……ありがとう」
エリーは微笑みながら頷くと、少し言いづらそうな表情になりながら、ルイーズに視線を向けた。
「ルイーズ……こんな時にする話ではないんだけど、伝えておきたいことがあるの。私、半年後の進級に合わせて、淑女科から侍女科に転科するわ」
「……」
固まるルイーズをよそに、エリーは話を続けた。
「実は、以前から考えていたことなの。私は、これからも婚約者を持つつもりはないから、侍女科で将来の仕事につながる学びがしたいと、両親に伝えていたの。それが、最近になってようやく、侍女科への転科を許してもらうことができたの。先生たちとの面談はこれからだけど、私……、絶対に侍女科に行くわ」
普段は冷静なエリーだが、非常に熱のこもった決意を語ってきた。ルイーズは全く気付いていないようだが、いつにない様子で前のめりになるエリー。本来の彼女なら、ルイーズの気持ちを第一に考え、このような唐突な発言などしないのだが……。また、そんな彼女の性格を良く知るルイーズであれば、普段の様子とは違う態度にも気付けただろう。
そんな様子にも気付かないほど、ルイーズ自身も動揺して混乱しているのかもしれないが……。
これまで、楽しくのほほんと一緒に過ごしてきた親友の決意を聞いて、先ほどまでのモヤモヤは、どうやら吹き飛んだようだ。ルイーゼの心境としては、置いてきぼりにされた感満載というところだろうか。
同じ学び舎で、肩を並べながら共に学びあい、平和な時間を過ごしてきた友人の門出に、ルイーズは少なからずショックを受けたようだ。いや、考えの足りない自分に、少しだけ落胆しているようだ。
「そうね……話すなら早いほうがいいわ。ルイーズのご両親なら、解消することを許してくれると思うけど、お相手との話し合いが難航しそうなときは教えてね。私にできることはないかもしれないけど、協力することはできると思うの。その時は、以前から話していた私の従姉を紹介するわ」
「エリー……ありがとう」
エリーは微笑みながら頷くと、少し言いづらそうな表情になりながら、ルイーズに視線を向けた。
「ルイーズ……こんな時にする話ではないんだけど、伝えておきたいことがあるの。私、半年後の進級に合わせて、淑女科から侍女科に転科するわ」
「……」
固まるルイーズをよそに、エリーは話を続けた。
「実は、以前から考えていたことなの。私は、これからも婚約者を持つつもりはないから、侍女科で将来の仕事につながる学びがしたいと、両親に伝えていたの。それが、最近になってようやく、侍女科への転科を許してもらうことができたの。先生たちとの面談はこれからだけど、私……、絶対に侍女科に行くわ」
普段は冷静なエリーだが、非常に熱のこもった決意を語ってきた。ルイーズは全く気付いていないようだが、いつにない様子で前のめりになるエリー。本来の彼女なら、ルイーズの気持ちを第一に考え、このような唐突な発言などしないのだが……。また、そんな彼女の性格を良く知るルイーズであれば、普段の様子とは違う態度にも気付けただろう。
そんな様子にも気付かないほど、ルイーズ自身も動揺して混乱しているのかもしれないが……。
これまで、楽しくのほほんと一緒に過ごしてきた親友の決意を聞いて、先ほどまでのモヤモヤは、どうやら吹き飛んだようだ。ルイーゼの心境としては、置いてきぼりにされた感満載というところだろうか。
同じ学び舎で、肩を並べながら共に学びあい、平和な時間を過ごしてきた友人の門出に、ルイーズは少なからずショックを受けたようだ。いや、考えの足りない自分に、少しだけ落胆しているようだ。