遠征帰還パーティーの翌朝
辺境伯から声が掛かり、滞在客と使用人たち全員がホールに集められた。
「皆、早朝から呼び出してすまない。昨日はご苦労だった。
早速だが、結論から言わせてもらう。義妹と姪が、この辺境伯家の乗っ取りを企てていた。俺は、今から二人を連れて王都に向かい、陛下に一部始終を説明してくる。出発は二時間後、急で申し訳ないが、皆それまでに準備を整えてくれ。以上、解散」
使用人たちが、忙しない様子でホールを後にすると、リオンが辺境伯に声を掛けた。
「父上、俺も一緒に王都へ行く」
「お前は良い、ここに残れ」
「何故? 護衛対象も多い。俺も行く」
「お前は振られたからな、反省だ」
「……、ハッ?? 振ら…れた?」
「お前、気づいていないのか? 昨夜あったことは、レアから聞いている。リリーが泣いていたそうだ。可愛い妹を泣かせるなんぞ、どういった料簡だ! 少し、頭を冷やせ!」
辺境伯は、振られたことに気づいていないリオンに喝を入れて、その場を去った。リオンは固まったまま、その後ろ姿を見送ることしかできなかったようだ。
そんな二人のやり取りを見ていたレアが、ルイーズとエリー、そしてリアムに声を掛けた。
「身内の恥をさらしてすまない。これに懲りず、またここへ遊びにきてほしい。三人には、リリーが本当に世話になった。本人は見送りには出られないが、リリーも私も、皆には本当に感謝している。ありがとう。私は、ここに残るが、どうか気をつけて帰ってくれ」
「レアさん、こちらこそお世話になりました。どうか、リリーちゃんにもよろしくお伝えください」
「ああ、分かった」
「レアさん、リザちゃんとエマちゃんはどこでしょうか?」
「エリザベスとエマは、話しが終わると直ぐに出て行ったようだ……。多分、エマはエリザベスから説教されていると思う」
「そうですか。それでは、私たちも準備に向かいますね」
「分かった。じゃあ皆、気をつけて」
「「「はい」」」
辺境伯から声が掛かり、滞在客と使用人たち全員がホールに集められた。
「皆、早朝から呼び出してすまない。昨日はご苦労だった。
早速だが、結論から言わせてもらう。義妹と姪が、この辺境伯家の乗っ取りを企てていた。俺は、今から二人を連れて王都に向かい、陛下に一部始終を説明してくる。出発は二時間後、急で申し訳ないが、皆それまでに準備を整えてくれ。以上、解散」
使用人たちが、忙しない様子でホールを後にすると、リオンが辺境伯に声を掛けた。
「父上、俺も一緒に王都へ行く」
「お前は良い、ここに残れ」
「何故? 護衛対象も多い。俺も行く」
「お前は振られたからな、反省だ」
「……、ハッ?? 振ら…れた?」
「お前、気づいていないのか? 昨夜あったことは、レアから聞いている。リリーが泣いていたそうだ。可愛い妹を泣かせるなんぞ、どういった料簡だ! 少し、頭を冷やせ!」
辺境伯は、振られたことに気づいていないリオンに喝を入れて、その場を去った。リオンは固まったまま、その後ろ姿を見送ることしかできなかったようだ。
そんな二人のやり取りを見ていたレアが、ルイーズとエリー、そしてリアムに声を掛けた。
「身内の恥をさらしてすまない。これに懲りず、またここへ遊びにきてほしい。三人には、リリーが本当に世話になった。本人は見送りには出られないが、リリーも私も、皆には本当に感謝している。ありがとう。私は、ここに残るが、どうか気をつけて帰ってくれ」
「レアさん、こちらこそお世話になりました。どうか、リリーちゃんにもよろしくお伝えください」
「ああ、分かった」
「レアさん、リザちゃんとエマちゃんはどこでしょうか?」
「エリザベスとエマは、話しが終わると直ぐに出て行ったようだ……。多分、エマはエリザベスから説教されていると思う」
「そうですか。それでは、私たちも準備に向かいますね」
「分かった。じゃあ皆、気をつけて」
「「「はい」」」