リオンの執務室、キースとクロード、そしてシオンの三名が今後の流れについて確認をしている。

「皆、待たせた。ブライスはまだ戻ってきていないな」
「ブライスは、まだ伯爵令嬢の護衛中。あの子は攻めが強いから、色々引き出してくれるんじゃないかな……。それで、リリーちゃんのお世話はルーちゃんに任せてきた?」
「ああ」
「真面目そうな子だし、母性が強そうだから、少しは甘えればいいんじゃないかな」
「確かに」

部屋へ入ってきたリオンにシオンが声を掛けると、その後ろではクロードが相槌を打っている。

「ああ、そうだな。今でも自分が守りたいという気持ちは変わらないが、ルイーズがリリーを気にかける様子を見ていたら、何だかすごく安心したんだ」
「リオン……良かったね」
「ああ」

リオンとシオンの会話を聞いていたキースが、リオンに発破をかけた

「婚約したかったら、早く解決しないとな」
「そうだな」

頷きながらもクロードが声を掛けた

「皆さん、打ち合わせの続きをしますよ」
「クロードすまない。続きから頼む」

クロードはリオンに頷くと、皆に向けて話し始めた。
「現時点では、計画通りです。今、シャロン伯爵令嬢がキャサリン嬢の部屋でお茶をしています。護衛としてブライスと王宮の騎士が一名ついていますので、何か起きたらその場で捕縛します。こちらは大丈夫だと思うのですが、心配なのはキャサリン嬢の母親ですね。侍女を使ってリリー嬢を亡き者にしようと企んだくらいです。まだなにか仕掛けてくるかもしれませんので、こちらには王宮の騎士を三名配置しています。そして我々は、合図があったらキャサリン嬢の部屋へ突入します」

「わかった。それでは、キャサリンがいる部屋の隣部屋に移動しよう」

皆はその言葉で一斉に立ち上がった。